後編:どう向き合うか、治療と支え方
こんにちは。
前編では、双極性障害の基本的な症状やタイプについて、私自身の体験を交えてお話しました。
今回はその「後編」として、双極性障害とどう向き合っていくか、そしてどんな治療や支え方があるのかをお伝えしていきます。
※本内容は医療従事者ではない一個人の経験・調査に基づくものであり、正確な診断や治療は必ず専門の医療機関にご相談ください。
原因は性格ではない
双極性障害の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
- 脳内神経伝達物質の乱れ
- 遺伝的要因(家族に精神疾患があるケース)
- 強いストレスや生活環境の変化
「甘え」「努力不足」などの性格的な問題ではありません。私も病気が発覚するまでは、「怠けているだけ」と言われることが多く、自分自身も病気について無知で、うまく説明できずに苦しみました。
主な治療法
1. 薬物療法
症状に応じて複数の薬が使われます。
- 気分安定薬
・リチウム(リーマス):躁・うつ両方に有効で最も古くから使用されている
・バルプロ酸(デパケン):躁状態や混合状態に有効。Ⅰ型に多く処方される
・ラモトリギン(ラミクタール):うつ予防効果が高く、Ⅱ型でよく使われる - 抗精神病薬
・クエチアピン(セロクエル)
・オランザピン(ジプレキサ)
・アリピプラゾール(エビリファイ)
・リスペリドン(リスパダール) など - 抗うつ薬(慎重に使用)
うつが極端に重い場合に使われるが、躁転リスクがあるため特別な理由がない限り推奨されない。
私は上記のほとんどを処方されてきましたが副作用や効果に差があり、自分に合った薬にたどり着くまで4年ほどかかりました。現在はラモトリギンとルラシドン(ラツーダ)を併用しています。
2. 心理社会的療法(カウンセリング・生活支援)
薬物療法と併用することで再発のリスクを下げます。
- 認知行動療法(CBT)
気分の変化に気づく力や思考の癖を見直す力を養う - 家族療法
家族が病気を理解し、適切な接し方を学ぶ - 心理教育
本人が病気を理解し、躁鬱の波に対応できる知識を得る
私は通院時にカウンセリングを受けています。自分の感情や行動パターンに気づいて躁状態、うつ状態で起こる問題をカウンセラーの方と一緒に考えながら対処法を探っています。
カウンセリングは精神疾患がなくても「心が疲れているな」と思った人も受けてみると良いと思います。
3. 生活リズムの安定
- 規則正しい起床・就寝
- 昼夜逆転を避ける
- バランスの取れた食事と適度な運動
- ストレスや刺激を避ける
- 日光浴を意識的に行う
私は規則正しい生活を意識してから気分の波の振れ幅が小さくなっていきました。特に日光浴は外に出るだけなので簡単にできます。(外に出るのが難しい時は窓際でも⭕️)日光浴をすると自律神経が整い、体内時計が正常になることで昼夜逆転も治ります。
これらは双極性障害に限らず、心身の健康にとっても大切な習慣なので日々意識しましょう!
4. 入院治療(症状が重い場合)
症状が強く出ている時は、安全のためにも入院が選択されることがあります。
入院することで外で受ける刺激からシャットアウトされるのでしっかりと心身を休めることができます。看護師さんが様子を24時間みてくれるので症状が悪化してもすぐに対処できます。また生活習慣も治るので段々回復していきます。
周囲にできることは?
もし、身近に双極性障害の方がいたら…
- 病気について理解を深める
- 感情の波に巻き込まれすぎず、冷静に接する
- 「見守る」「話を聞く」姿勢を大切にする
- 否定せず、本人の苦しみに共感を持つ
私も周囲の人に理解されるまで時間がかかりました。理解ある人の存在が1番の支えになります。特に有り難かったのは否定せず、ただそばにいてくれる家族の存在です。気持ちに寄り添ってくれるだけで心がふっと軽くなりました。
一方で、感情の浮き沈みが激しい時には、周囲も疲れてしまうことがあります。支える側も無理をせず、必要に応じて距離をとったり、専門機関に相談することも大切です。
終わりに
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
双極性障害は、本人だけでなく、周囲の人が少しずつ理解を深めていくことが、回復への大切な一歩になります。
このブログを通じて、少しでも病気への理解が広がるきっかけになれば幸いです。