「お盆明けから、もう冬季うつの心配をしています!」というとどう思われますか?
「秋、だるいし眠い。どうにかならないかな?」
「秋は気分が落ち込む。私だけ?」
「長い冬が始まると思っただけで憂鬱。いい対策ないの?」
という疑問をお持ちではありませんか?
そこでこの記事ではそんな「季節の変わり目の体調不良」というお悩みを、病歴20年で冬季うつ持ち、気分障害の私の観点から解決します。
具体的には
・秋の不調は、夏の体調管理で防ぐ
・「私だけじゃない」と知ることの大切さ(ピアサポート)
・自分で自分を追い込まない。秋の楽しみを見つける
・うつ持ちの支援スタッフが語る秋の支援
の順番にご紹介していきます。
3分くらいで読めますし、季節の変わり目の体調不良に対する不安が劇的に改善される可能性が高いので、まずは読んでみてください!
【当事者のリアルな体験談】秋が苦手な人に聞く「お盆明けからのしんどさ」
私の秋の症状:だるい、眠い、朝起きられない。食べられない。ネガティブが止まらない。
お盆明け、気温のアップダウンが激しくなってくると、症状が始まります。
私は病歴20年。
毎年繰り返すうちにわかってきたことがあります。
それは、秋の体調は、夏の行動が決め手だということです。
私の「暑いうちからできる季節の変わり目対策」をご紹介します。
・冷たいものを飲みすぎない。(夏に冷たいものを飲むと秋の食欲不振やお腹の調子の悪さにつながる)
・朝散歩は欠かさない(調子がいい時こそいつものルーティンを欠かさない)
・朝のジャーナリング(今の自分の気持ちを書く)、寝る前の3行ポジティブ日記
・夏は日の出とともに3~4時には起きてしまうので20時前には横になる。(睡眠時間の確保)
・可能な限り体を動かす(ラジオ体操など)
20年の病歴の経験からいうと、夏に不摂生すると、秋に大きく体調を崩します。
夏の短眠のツケは、秋の過眠で帰ってきます。
秋の対策として、夏に特別なことをするのではなく、夏もいつもの生活のペースを守ることが大切です。
私は気分障害(双極性障害)と診断されています。
夏の軽躁状態で無理をしたことは、確実に秋のうつで支払うことになります。
小さな習慣の積み重ねが、秋の自分を守ると信じています。
一年中私が心がけている精神科医樺沢紫苑先生が推奨する44のコツはこちら。
「私だけじゃない」と知るピアサポート(当事者同士の支え合い)のちから
私が仲間に救われたエピソードをご紹介します。
去年の秋、やっとの思いで久々に通所してきたお昼のことです。
私が「季節の変わり目、特に秋は体調が悪くて・・」と言うと、他の利用者さんが「私も!秋は辛いよね」とそこから秋の体調不良トークが始まったのです。
「私だけじゃないんだ・・」という相互理解が、「私の体調管理が悪いから体調悪いんだ」といや自責の念や罪悪感を払拭してくれました。
ライフワークでは、スタッフ、利用者さん、入り混じり楽しく話をしながらご飯を食べます。
また一般的な事業所では、利用者さん同士の連絡先交換を禁止していますが、ライフワークでは禁止していません。
利用者さん同士の交流が活発です。
そうした交流の中で自分のつらさをシェアして仲間に受け入れられることが、秋冬に限らずすごく助けられています。
ライフワークが大切にしている支援ポリシー(相互理解が紡ぐ「回復と成長」の物語 )
自分で自分を追い込まない。秋を積極的に楽しむ
精神科の診断基準を作成している世界保健機構(WHO)は「楽観性は予後に影響する」と公式見解を出しています。
また精神科医の樺沢先生はYouTubeの動画の中で以下のように述べています
「良くならない」と悩む患者さんほど良くなっていかない。
なぜかというと「病気をなんとか良くしないといけない」「どうして病気が良くならないんだ!」というストレスが、病気を悪化させる。
「まぁ仕方ないか」と病気や障害を受け入れ、今できることに集中しようと呼びかけています。
これは決して「病気は気の持ちようだ」という話ではありません。
精神保健福祉では「病気や障害の有無ではなく、病気や障害がありながらも充実した生活を送ること」をゴールとしています。
私は、秋の養生にこの「病気がありながらも充実した生活を送る」という考え方を取り入れています。
眠い、だるい、調子が悪いのは仕方がない。
今自分にできることは?
できるだけ楽しいことで心を満たすよう心がけています。
例えば秋の楽しみとして
- パン屋さんやお菓子屋さんで「さつまいも・栗・かぼちゃ」の秋限定スイーツを探す。
- ライフワークの仲間と「さっぽろオータムフェスト」に行って美味しいものを食べる。
- お茶の専門店でミルクティーに合う紅茶やウーロン茶などを買い、寒い季節ならではの温かい飲み物を楽しむ。
意識して生活に「楽しみ」を取り入れることで、「体調の悪さ」で心をいっぱいにしないように心がけています。
うつ持ちの支援スタッフのぼりさんに取材〜「秋の波」とどう付き合う?
ライフワークのスタッフの昇(のぼり)さんに「秋の不調との付き合い方」や「現場でのサポート」についてインタビューしました。
実はのぼりさん自身もうつ歴10年以上。
冬に引きこもっていた経験を持つ当事者です。
支援員と当事者、両方の視点からリアルなアドバイスを伺いました。

お盆を過ぎて秋めいてくると、体調を崩す利用者さんは増えますか?
利用者さんにどんな変化が見られますか?

増える傾向にありますね。
夏の暑さで体力を消耗した疲れが、秋口に出てくるのは障害の有無に関係なく誰にでも起こりやすいです。
現場で見られる変化としては、「なんだかやる気が出ない」「表情に覇気がない」「目線が下を向きがちになる」といった様子が増えてきます。
また「これから厳しい冬がやってくる」という将来への不安(予期不安)が先立ち、落ち込んでしまうケースも多いです。
寒くなってくると、家に引き篭もりがちになります。
そうした家にいて一人で何もしない時間が増えると、どうしてもネガティブな思考に引っ張られやすくなります

昇さん自身が実践している、メンタル安定のための対策は?

一番大切にしているのは朝の光と生活リズムの固定です。
- 夜はカーテンを閉めずに寝る。
朝の自然光で自然に目が覚めるようにしています。
- 起きる時間を一定にする。
1年を通して朝5時に起きています。
就寝時間が前後しても、起床時間を固定することで体内時計がリセットされます。
- 光を味方にする。
過去には太陽光に近い光を出す高照度ライトを活用して仕事モードへのスイッチを入れていました。
現在は「毎朝同じ時間に出勤して仲間の役に立つ」という日々の役割やルーティンそのものが、一番の精神安定剤になっています

秋口に不調を訴える利用者さんには、まずどんな声をかけていますか?

まずは否定せず「そうなんだね、つらいね」と共感することから入ります。
その上で睡眠時間や食欲、いつから調子が悪いのかを具体的に確認し、小さな改善策を一緒に探します。
意識して伝えているのは「天気のせいにしすぎないこと」です。
気圧や寒さを理由にして「天気が悪いから私は調子が悪くて当然だ」と思い込んでしまうと、無意識に自己暗示をかけて長引かせてしまいます。
変えられない天候に左右されすぎず「今できる小さな工夫」に目を向けるよう促しています。

現場で無理をさせないために、どのような工夫をしていますか?

心身の負荷が高い作業を控え、本人の状態を確認しながら進めます。
ポイントは「休むか・通所するか」「0か100か」の2択にしないことです。
- 午前だけ、午後だけの短時間通所にする
- いつものデスクワークから、軽作業(カード折りなど)に切り替える
といった選択肢を用意します。
一度長く休み続けてしまうと再通所のハードルが上がってしまうため「少しでも顔を出す」ことを大切にしています

落ち込みから抜け出すための具体的なアクションはありますか?

体の動きから思考を変えるアプローチが手軽でおすすめです。
- 姿勢を正して目線を上げる: うつむいていると気分も下がるため、座り姿勢を意識する
- ガッツポーズや伸びをする: 身体のポーズから脳のモードを切り替える
- アファメーション(肯定的な言葉): 何もやる気が起きない時は、横になりながら耳で前向きな言葉を聴く
できる範囲で身体や感覚を使った工夫を取り入れてみてほしいなと思います

季節の変わり目に悩む方へメッセージをお願いします。

秋冬に体調や気分が落ち込むのは、ある意味で自然な反応であり、自分を責める必要はまったくありません。
落ち込んだときは、「自分を実験する期間」と捉えてみてください。
「日光を浴びてみる」「姿勢を正してみる」など、小さな行動を試して「これをやると少しラクになる」という自分なりの対処法(コーピング)を見つけていくチャンスです。
ライフワークは、久しぶりに通所した方を責めたりせず「来てくれてありがとう!」と温かく迎える場所です。
一人で抱え込まず、一緒に無理のない乗り越え方を見つけていきましょう」
おわりに:一人で抱え込まず、仲間とともに秋を迎えよう
季節の揺らぎを完全にゼロにすることは難しくても「こうすれば少しラクになる」という自分なりの対処法をひとつずつ見つけていくことはできます。
「毎年秋から冬にかけて動けなくなってしまう」
「一人で不安を抱え込んでしまいがち」
そんなときは、無理に一人で解決しようとせず、周囲に頼ってみてください。
ライフワークでは、同じような悩みを経験してきたスタッフや仲間が、温かくあなたを迎えます。
見学や体験のご相談も随時受け付けていますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。


