B型からA型へステップアップするには?移行の条件・タイミングと実際の事例を解説

就労継続支援B型を利用しているご本人やご家族から「この先、A型へステップアップできるのかな?」「ずっとこのままなのかな」というご相談をよくいただきます。

次のステップに進むための目安や準備、そして実際に支援学校からB型→A型へと移行された利用者さん、現在支援学校からB型に通所し、A型、一般就労を目指している利用者さんの事例を紹介します。

A型とB型の違いをおさらい

まずは、A型とB型の基本的な仕組みの違いを整理しておきましょう。

項目就労継続支援B型就労継続支援A型
雇用契約原則なしあり(労働者としての契約)
収入工賃(作業成果に応じた報酬)給与(各都道府県の最低賃金以上)
勤務時間週1日・短時間から柔軟に調整可能週20時間以上(1日4〜5時間等)が一般的
目的体調に合わせた就労訓練・居場所雇用契約を結んで働きながら一般就労を目指す

B型で生活リズムや体力を整え、働く基礎力を身につけた次の段階としてA型があります。

A型へステップアップするために必要な3つのこと

A型への移行を検討する際、事業所や支援機関が特に重視するのは「作業スピード」よりも「安定して通い続けられるか」です。

1. 体調と出勤の安定
A型は雇用契約を結ぶため、決められたシフト通りに出勤することが求められます。
まずはB型で「週4〜5日」「決められた時間」を体調を大きく崩さずに継続して通えることが最初の基準になります。

2. 働く上での基本的な力(報連相・体力)
疲れたときに無理をせず休憩を申し出る、困ったときにスタッフへ質問できる、といった自己管理とコミュニケーションが大切です。

3. ご本人の「やってみたい」という気持ち
「もう少し稼ぎたい」「もっと色々な仕事に挑戦したい」というご本人の前向きな意志が何よりの原動力になります。

ステップアップの相談は誰にすればいい?

「そろそろ次の段階に進めるかも」と感じたら、まずは現在通っているB型事業所のスタッフや、担当の相談支援専門員に相談してみましょう。

  • 現在の出勤状況や体調の振り返り
  • 目指したいA型事業所の見学・体験利用の手配
  • 受給者証の変更手続きの確認

スタッフと一緒に現状を確認しながら、無理のないスケジュールで進めることができます。

よくある質問

Q. A型に移ってから体調を崩したら、またB型に戻れますか?

A. 可能です。
状況に合わせて再度B型を利用したり、通所日数を調整したりするなど、柔軟に対応できます。


Q. どのくらいの期間通えばA型に行けますか?

A. 個人差があります。
半年〜1年で移行する方もいれば、数年かけてじっくり体力をつけてから進む方もいます。
期間にとらわれず、ご自身のペースを守ることが最も大切です。

ステップアップは「義務」ではなく「ひとつの選択肢」


次のステップを目指すことは素晴らしい挑戦ですが、必ずしも全員がA型や一般就労に進まなければいけないわけではありません。

B型で安心して自分のペースで働き続けることも、とても大切な選択のひとつです。
「今より少し活動範囲を広げてみたい」と思ったタイミングが、次のステップを考えるベストな時期です。

AB多機能型のメリット

ライフワークは、AB多機能型なのでBからAにスムーズにステップアップできます。

BからAに変わっても同じ仲間と働けますし、同じスタッフが引き続き支援します。
BからAに変わっても、新しく仕事を覚えたり、新しく人間関係をスタートしたり、スタッフに自分のことを説明し直す必要がありません。

【実例】支援学校を卒業した10代の利用者さんの体験談

Tさん(キッチン担当)

Q1. 学生時代の進路選びや実習での悩み、不安だったことは?

A. やりたいことも分からず、学校からB型を勧められて不安でいっぱいでした

Tさん

高校にいた頃はやりたいことが明確になく「進路を決めてください」と言われても自分に何が合っているのか分からずすごく悩んでいました。
高校2年生から合計5箇所ほど実習に行きましたが、毎回違う環境に適応するのも本当に大変でした。

それに私は、「できるだけ早くA型に上がりたい、一般就労したい」という気持ちが強かったんです。
でも学校からは「まずはB型へ」と勧められて……。
「本当にB型からステップアップしていけるのかな」と、当時は不安と焦りでいっぱいでした。

そんな中、秋頃に見学・実習に来たライフワークで、初めて「ここで自分が成長していく未来」がはっきりと見えたんです。
学校で経験していたパン作りを活かせる厨房の環境や、お昼休みにみんなで楽しくおしゃべりできる温かい人間関係に惹かれて通所を決めました


Q2. A型に切り替わって約1ヶ月。環境の変化や不安・ストレスはありましたか?

A. AB多機能型だから場所も仲間も変わらず、ストレスゼロで移行できました!

Tさん

B型からA型に上がっても、気持ちや仕事への向き合い方は良い意味で変わっていません。
通常、別の事業所のA型に移るとなると「場所・スタッフ・一緒に働く仲間」がすべて変わり、大きな負担や不安があると思います。
でも、ライフワークはA型・B型の多機能型なので、慣れ親しんだ環境や人間関係のままステップアップできました。
環境の変化によるストレスはまったくありませんでした!
A型を目指すなら、絶対に多機能型の事業所が安心だと実感しています。

Q3. 通所4ヶ月というスピード昇格!毎日の通所や体調管理で意識していたことは?

A. 「休んだら自分に負け」という気持ちで、毎日休まず通うことを意識しました

Tさん

通所を始めてから、ほとんど休んだり早退したりしたことはありません。
「休んだら自分に負けた気がして嫌だ」という気持ちがあって、気合と根性で乗り切っていました(笑)。
一度事業所に来たら、最後までしっかりやり切ることを大切にしています!

Q4. 将来の夢や、1〜2年後の一般就労に向けた目標を教えてください!

A. 実務経験を積んで調理師免許を取得し、一般就労を目指します!

Tさん

A型でしっかり実務経験を積みながら、勉強と技術磨きを頑張って調理師免許を取得することが今の目標です。
免許を取ったら、ライフワークから次のステップとして一般就労にチャレンジしたいと思っています!

Q5. これから実習を迎える学生さんや、進路・ステップアップに悩む親御さんへメッセージをお願いします!

A. 諦めずに努力を続ければ必ず報われます!

Tさん

諦めずにコツコツ努力を続けていれば、必ず結果につながるんだと実感しています。
「諦めたらそこで試合終了」です!
不安があっても諦めずに、ぜひ一歩を踏み出してみてください!

Iさん(動画編集&キッチン担当)

Q1. B型に通い始めて6ヶ月が経ちましたが、生活リズムや体力面などで「成長したな・自信がついたな」と感じる部分はありますか?

A. 「誰かの役に立ちたい」という気持ちが芽生え、できる業務も増えて手応えを感じています。

Iさん

最初は仕事に対してそこまで深く考えていませんでしたが、今は「誰かの役に立ちたい」という気持ちが芽生えてきたことが一番の変化です。
周囲から感謝されたり、役に立っている実感が湧くと大きなやりがいにつながります。

また、キッチン業務では最初はできることが限られていたものの、今では仕込みや調理など大まかな工程をほぼ一人で進められるようになりました。
時間はかかっても慣れていけるんだという手応えを感じています。

高校の時よりも、自分の得意・不得意を客観的に見つめながら「どんな職場が向いているのか」を具体的に考えられるようになり、一般就労への意識が一段と高まりました。

ライフワークに通う中で、自分に足りなかったスキルを磨けていると感じます

Q2. 一般就労へのステップアップを意識して、体調管理や毎日の通所で一番気をつけていることは何ですか?

A. 社会人の基本として、遅刻をしない「時間管理」と仕事前の準備を徹底しています。

Iさん

一番意識しているのは「時間管理」です。
体調を崩して休むことはほとんどなく基本的に毎日元気です。

遅刻をしないこと、始業前の事業所内アプリのログインや準備を手順通りに済ませることを徹底しています。

アプリのログイン(タイムカードの代わり)といった日々の基本動作を含め、社会人としての時間を守る意識を大切にしています。

Q3. スタッフのサポートや事業所の雰囲気で、日々の安心ややる気につながっているところはどんなところですか?

A. しっかり見て褒めてもらえること。前向きに認めてもらえる環境が日々の力になっています。

Iさん

動画編集でもキッチンの仕事でも、スタッフの方々がしっかり見ていてくれて、褒めてもらえることです。

「誰かの役に立てた」と実感できますし、アドバイスをもらって工夫したことを評価されると「次も頑張ろう」とやる気が湧いてきます。

前向きに認めてもらえる環境が日々の力になっています

Q4. 将来の夢や目標を教えてください!(1〜2年以内の一般就労を見据えて、これからどんなステップを踏んでいきたいですか?)

A. 20歳までに一般就労し、強みを活かして長く安定して働き続けることが目標です。

Iさん

まずは「20歳までに一般就労すること」そして「就職した職場で長く安定して働き続けること」が目標です。

将来のために堅実に貯蓄を増やしていきたいと考えていて、現在も工賃の約9割はしっかり貯金に回しています。

立ち仕事やバックヤード業務など、自分の強みを活かせる仕事で自立した生活基盤を築いていきたいです

Q5. これから実習を迎える学生さんや、いまB型に通所していて「ステップUPできるかな」と悩んでいる支援学校の後輩や親御さんへ、伝えたいメッセージはありますか?

A. 当たり前の土台を大切に真面目に取り組めば、その努力は必ず自分に返ってきます!

Iさん

「誰かの役に立っている」という意識を大切にしながら真面目に取り組み続けていれば、その努力は周りに伝わり、必ず自分に返ってきます。

職場での信頼関係はとても繊細で大切なものなので、まずは『時間厳守(遅刻をしないこと)』といった当たり前の土台を大事にしてほしいです。

人と関わりながらコミュニケーションを学びつつ、手先の器用さや物覚えの良さなど、自分ならではの「強み」を見つけていけば、きっと自分を活かせる職場に巡り会えると思います

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ご本人と一緒でも、まずは親御さんおひとりでも大丈夫です。
「うちの子に合うかどうか」を確かめる場として、ご家族での見学を受け付けています。

この記事を書いた人

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Katy

就労継続支援ライフワーク広報担当(利用者)
20代にウェブマーケティング会社を起業し、メディアを運営した際ライティングを勉強。
その経験を活かしブログを執筆しています。
ブログ記事でみんなに元気になって欲しいです!

(ブログ監修:板谷光 管理者兼サービス管理者・精神保健福祉士・社会福祉士)