事の始まりは
まず、ライフワークに通うようになるまでの経緯を紹介します。
ここに至るまでに6年の月日が流れていまして、事細かに紹介していくと日が暮れてしまいますので事の始まりとその間にあったことをかいつまんで紹介していこうと思います。(※とても長いです。)
事の起こりは2018年の4月某日、とある診療所から始まります。私はそこで臨床検査技師として日々の仕事に忙殺されていました。
診療所と書かれていると小さな建物と想像されがちですが、(19床以下の入院施設までを診療所:クリニック、それ以上が病院と区別されています)実際はクリニックにあるのは珍しいCTスキャナーなどの精密検査機器や手術室まで設置されているそこそこ大きな3階建てのクリニックでした。常に人手不足でしたので一人で外来患者様と入院患者様、手術の患者様など多量の検査をこなして過ごしておりました。
一番偉い地位の方のパワハラが中々に酷くブラックな職場でもあったため、診療時間に間に合わせる、医師の入院検査の結果を見る時間に間に合わせる様に検査とその結果を書いておく、手術の時間に間に合わせるという様に時間に追われながらの毎日でした。
ストレスが原因の色々な症状を抱えつつも。その代わり同僚間の関係は概ね良好で、忙しいなりに同年代と比べると少し多めのお給料と多量の仕事により養われる医療技術の経験を頂き日々を過ごしておりました。
しかしその日は事前の知らせもなく突然訪れました。
症状としては前日に10時間以上と十分以上な睡眠時間を設けているにも関わらず、ごく短時間に繰り返し現れ日に日に強さを増していく異常な眠気(5〜10分眠り、起きるを繰り返す)
そしてもう一つ大きな症状として突然膝が抜けるような脱力感、酷い時だと全身に力が入らなくなり、こらえようとすると余計脱力が酷くなりました。限界を迎えた時、最終的に全身が震えだし床に倒れ、そのまま自力での歩行も困難となりました。そして立ち上がるだけで震えが止まらなくなり自立不可能になり強制的に入院させられたのでした。
ここから更に様々な検査を受けるため、病院を転々とする日々が待っていました。最終的には同僚の看護師長さんから勧められて大き目の病院に行き、入院検査を受けました。症状から行くと恐らくてんかんの一種なのでは?と告げられましたが検査結果として原因は不明、抗てんかん薬を週替わり、日替わりに飲み続け副作用に耐える毎日を過ごします(主に吐き気、頭痛、めまいが酷い)。
最終的には恐らく精神症状の一つだろうと診断され、時間と入院費だけがどんどん消費されていきました。これがまたシャレにならない程の量に膨らみまして、毎日ベッドの上で生活するだけなら実家でも同じように過ごせると退院することにしました。
終わりの見えない日々に一条の光
ここからその年の12月のクリスマス前に話が飛びます。実家に帰って来て、ほぼ床を這う生活が始まり月日だけが過ぎて行きました。そしてある時異常な眠気があったなとふと考えが回りました。(当時いつでも眠れる環境にあったため、異常であることを忘れつつ有りました)
先に症状として出てきたのは眠気の方が先なのだからこちらが原因なのでは?このことから睡眠専門外来というものにかかるのはどうだろうかと思い予約を取りました。
病院に着き、診察前にお話聞かせてくださいと処置室の看護師さんから声がかかりました。はいと返事しついて行こうとした瞬間全身の力が抜けて地面で寝るハメになりました。
そしてその瞬間を専門医の先生もちょうどいらっしゃっていて見ていたらしく、少しお話を聞かせてくださいと移動されたベッドで寝たまま今までの症状を話しました。すると直ぐに十中八九ナルコレプシーだと思いますが、病気を確定させるために入院して検査しましょうと、とんとん拍子に話が進みました。
検査の結果下された病名は1型ナルコレプシーの特に重症なものとのことでした。
それまで相手が分からず闇雲に戦っていたのが嘘のように、処方された薬を飲み始めると劇的に全てが回復方向へ進んでいきました。めでたしめでたし!とは勿論いかず……。そう世の中簡単にはいかないのでした。
しかし薬を飲むことでかなり生活面に改善が見られたのは確かでした。処方された薬を飲むと明らかに脱力発作の方は減っていったのです。
この病気の特徴として、日中の耐え難い眠気に襲われる睡眠発作、そして感情が高ぶったときに体に力が入らなくなる情動脱力発作というものがあります。
立てなくなる理由の一端はこれでした。この脱力発作を防ぐ薬というものは既に見つかっておりまして。実際飲み始めると脱力の頻度はみるみる減っていき、何につかまることなく立ち上がる事も可能になりました。しかし全て防げる訳ではなく、感情の高ぶりがない時にも突然力が抜ける事もまだ多くありました。
体の症状をこの病気一つでは説明が出来ないと言われました。入院していた病院で言われた恐らくてんかんも有るのだろうとのことでこちらの薬も続けて行くことに。
そして吐き気、頭痛、めまいなどの副作用に耐えて体に薬が慣れるまで待つ日々が再び始まりました。薬に耐え家で横になる、減った体力を戻すために少しずつ動き始める、意識が覚醒する薬を飲み一日通しての生活リズムを、また体調を整える日々が1年程続きました。
そうだB型就労継続支援事業所へ行こう
ここに至り一つの問題点が一つ浮上しました。
今まで働いていた分の貯金の底が見えてきました。このままだと医療費、薬代がでない。(てんかんの薬と意識を覚醒させる薬が1錠200円くらい)
人生ここで終わりか・・・などと言っていられるはずもなく、ひとまず病院でソーシャルワーカーさんに相談することに。
以前と違いほぼ寝たきりの状態になったわけではなくなったため、ここは一日1時間からでもB型作業所などで作業をして、必要な分のお金を稼いではどうだろうと言われました。
継続就労支援を受けるためには障害者手帳が必須、主に脱力発作を抑えるために飲んでいたお薬はもともと抗うつ剤でして、働いていた時から実はおかしかった事、また自由にならない体での生活を送っていたため軽い抑うつ状態ではあったようで、診断書をもらって直ぐに障害者手帳は発行できました。
そうこうして何カ所か家から近いところから紹介してもらい見に行き、決まったB型終了継続支援の作業所で生活リズムの改善と医療費確保のため、ついでにPCスキルを磨く事ができると聞き、ここに通所することに決めました。
しかし、毎日通うと通所代だけで工賃が大分なくなり、医療費をためることができなくなるというデメリットが判明したため、リモートでの作業も併用しながら通うこととしました。
ここでは主にPCを使用した作業を行っていました。データ入力から始まり、その他にもExcelやPhotoshop、illustrator、ClipStudioなどのツールの使用方法を学びました。
そしてそんなこんな2年程作業をしていたのですが、ここでの作業中に寝ることなく約2時間くらい、天候にもよるのですが集中する事ができるようになってきたという事でA型の作業所を探してみることにしました。
ライフワークとの出会い
とにかくどんどん見学してみようと思い4か所見学と面接をしましたが連戦連敗、自信を無くしているときにとある検索サイトでヒットしたライフワークの紹介を見てとにかく見学に行って見ようと思い、連絡を取ってみました。
この連絡方法というのが少し珍しく、電話ではなく公式ページに載せてあるLINEの応募フォームに連絡して時間調整をする形でした。なお、この時点で2024年6月頃でした。ライフワーク自体5月開所という事でまだまだ空きがありとても幸運でした。
ここで対応して頂いた仮称でMさんとしましょう。とても気さくな方で普段人見知りで緊張しがちな私ですがとても話しやすかったことを覚えています。その日は簡単な面談と実際の作業現場を見せていただき、見学自体はさらっと終了し、3日間の体験の約束をしてその日は帰りました。
日時が経ち体験の日がやってきました。ライフワークではプログラミング、動画編集、デザイン、厨房の補助とやることが分かれていて、私は動画編集を希望したので実際に3日間をかけて1本の動画の編集をやってみました。もともとPCを使った作業には慣れていたので3日間楽しく体験できたことを覚えています。
最終日には少し面談を行って合否は後日連絡しますとのことでしたが、実際はその日のうちに連絡が来て合格と伝えてくれたことが凄く嬉しかったことを覚えています。
今私が行っている主な仕事内容について
今私がやっている作業の中で最も多いのが、1分以内のショート動画の編集作業が多いです。作業自体はフレーム単位(1秒=60Fつまり1F=1/60秒単位)での細かい作業の繰り返しです。元々こういった作業が好きだったので、趣味と実益を兼ね備えた仕事だと感じています。
たまに行う領収書の整理や簡単なデータ入力など、こちらも同じく細かい仕事は楽しいです。
案件がないときはオリジナルのトレース動画をさらにトレースする練習なども行っております。同じ編集ではあるものの難易度が高く設定してありとても難しくやりごたえがあります
6か月間ライフワークで働いた感想
デザイン班、編集班、プログラミング班、厨房班に分かれ各自やグループ毎に作業を進めています。私は編集班で動画の編集を主に行っております。
編集作業自体はとても楽しいとともに細かいところにこだわり、言葉や語尾が綺麗に繋がって聞こえるようにしたり、テンポよく進む動画になる様はとてもすっきりします。基本地味な作業ではあるものの個人的には楽しい作業です
考える頭と体が上手く連動しない事が多々あり、もどかしい気持ちになることはあります。睡眠発作 (作業を進めたいのに、作業してる夢を見ても、実際は寝落ちしているなど) がおこることがありなかなか前に進めていないかもと思う瞬間もあり、たまに落ち込むこともありますが、今は少しずつではありますが最終目標である元の職業に戻る事に向けて一歩ずつ進んでいっています。