こんにちは。ライフワークです。
札幌市でB型などの就労継続支援を利用している方とそのご家族へ、大切なお知らせがあります。
令和8年度(2026年度)から、札幌市における「在宅でのサービス利用」のルールが大きく変わります。国のガイドラインに基づき、「事業所に通って、対面で支援を受けること」がサービスの基本(原則)となるためです。
「今のまま利用できなくなるの?」と不安に思われるかもしれませんが、この改正は、皆さんが社会から孤立せず、安心して質の高い支援を受け続けられるようにするための前向きな調整です。何が、いつから、どう変わるのか。ポイントを整理して分かりやすく解説します。
利用者さんへの影響が一番大きい「5割(半分)ルール」
現在、在宅でB型を利用している方にとって最も重要な変更が、令和8年10月1日から全面的に導入される「5割(半分)ルール」です。ただし、令和8年9月30日までは経過措置として現在の方法で利用が可能ですので、まずは落ち着いて内容を確認しましょう。
新しいルールでは、以下の3つの側面すべてで「半分まで」という制限がかかります。
- あなた自身の制限(1ヶ月の回数) 1ヶ月の利用日数のうち、在宅でできるのは「半分(5割)まで」となります。
- 例:お住まいの区から「月22日」の利用を認められている場合、在宅は11日まで。残りの11日は事業所に通う必要があります。
- 事業所全体の制限(人数の合計) 事業所と契約している人のうち、在宅利用をする人の合計が半分を超えてはいけません。
- 1日あたりの制限(その日の人数) その日に在宅で作業する人の数が、事業所の定員の半分を超えてはいけません。
【知っておきたい計算の特例】 後ほど説明する「グループ①(重い障害や難病がある方)」に該当する方は、この「半分ルール」のカウントから完全に除外されます。
- 例えば、定員20人の事業所にグループ①の方が5人いる場合、残りの15人に対してこのルールが適用されます。グループ①の方は、これまで通り毎日在宅を利用することが可能です。
在宅利用ができるのはどんな人?(3つのグループ)
札幌市では、在宅での支援が認められる方を以下の3つのグループに分けています。
- ① 重度の障害や難病がある方 筋ジストロフィー、頚髄損傷、視覚・聴覚・言語機能の重い障害、呼吸器機能の障害、高次脳機能障害などで、身体的な理由から通所が著しく困難なケースです。
- ② 精神障害がある方 精神的な理由で通所が難しいケースです。このグループの方は、利用期間が長くなるほどチェックが段階的に厳しくなります(詳細は次項)。
- ③ その他、札幌市が特に必要と認めた方 中度の障害などで通所が非常に難しい場合や、一度体調が悪化して在宅を中断し、再開しようとする場合などが含まれます。
精神障害がある方の「継続チェック」の仕組み
精神障害により在宅利用をする場合、社会的な孤立を防ぎ「通所への移行」を目指すため、以下のタイムラインで在宅の必要性を確認します。

手続きが変わる!「2か月前」までの届出と同意
利用者の皆さんが事業所と一緒に進める手続きが、より厳密になります。
- 「2か月前」までの早めの申請 在宅利用を始める(または1年ごとの更新をする)場合、その「2か月前の月末」までに札幌市へ届け出る必要があります。例えば、8月から利用したい場合は6月末が締め切りです。
- 新しい「同意書」へのサイン 同意書の様式が新しくなります。内容をしっかり確認し、1年ごとに改めてサイン(同意)をする必要があります。
- 事業所によるデジタル申請 手続きは「スマート申請」というオンラインシステムに移行します。事業所がパソコン等で入力を行いますが、皆さんの新しい「同意書」の提出が不可欠です。
5. 安心・安全のための「新しいお約束」
在宅であっても、「家で一人きりで放置されている」という状況にならないよう、事業所には新しい支援ルールが課せられます。
- 1日2回の連絡(孤立の防止) 作業の開始時と終了時に、必ず電話やビデオ通話などで連絡を取り合います。これは「見守り」としての皆さんの権利でもあります。
- 週に一度の顔合わせ 週に1回以上は、スタッフが家に来るか、皆さんが短時間通所して、直接顔を合わせる必要があります。
- 30分ルール(緊急時の駆けつけ) 何かあったとき、スタッフがおおむね30分以内に駆けつけられる体制が必要です。自宅から遠すぎる事業所は、原則として在宅支援ができなくなります。
- 「お仕事」としての内容確認 在宅で行うのはあくまで「生産活動(お仕事)」です。以下の内容は認められません。
- × eスポーツやインターネットゲーム
- × インターネット検索、自宅での家事、塗り絵
- × 具体的な目標のない自習(自宅待機)や娯楽
6. 【重要】事業所の「存続」に関する注意点
国全体でスタッフの賃上げが行われる一方で、札幌市は非常に厳しい姿勢を打ち出しています。
- スタッフの賃上げと加算 令和8年6月から、事務員さんも含めたスタッフ全体の給与を上げるための新しい加算が始まります。
- 令和9年4月の「更新拒否」ルール 札幌市は、「平均工賃が月3,000円を下回っている」、あるいは**「国からもらった給付金を工賃に回している」**といったルール違反の事業所に対し、令和9年4月以降、**事業の更新を認めない(=事業所が閉鎖になる)**という方針を発表しました。
7. まとめ:これから準備すべきこと
令和8年度からの大きな変化に向けて、今のうちから以下の3ステップを確認しておきましょう。
- 「自分の状況」をスタッフに聞く 自分が「半分ルール」の対象になるのか、それとも特例(グループ①)に該当するのかを確認してください。また、その事業所が「平均工賃3,000円」の基準をクリアしているか聞くことも、将来の安心につながります。
- お医者さんに「通所の不安」を伝えておく 在宅利用を継続したい場合、お医者さんに「通所することが自分の体調にどう影響するか」を日頃から相談し、理解を得ておきましょう。
- 新しい「同意書」をしっかり読む 今後、在宅と通所のバランスをどう取っていくか、事業所のスタッフと前向きに話し合ってください。
「通うこと」もまた、大切なリハビリテーションの一歩です。在宅という選択肢を大切に守りつつ、社会とのつながりを維持するために、最適なバランスを一緒に見つけていきましょう。

